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経営者・人事が必ず抑えるべき、HR業界のメガトレンド4選+最新トレンド6選
ピープルマネジメント HRトレンド

経営者・人事が必ず抑えるべき、HR業界のメガトレンド4選+最新トレンド6選

 

波乱の幕開けとなってしまった2020年。HR業界は、今年も変化の激しい年になるでしょう。

特に日本では、生産年齢人口が大幅な減少傾向にあります。内閣府の調査によると、2015年から2030年の15年間では、およそ12%(825万人)が減少するという予想がされています。

このような状況で、各企業が「優秀な人材を雇用し、長く惹きつける組織づくり」に注力し始めています。

参考:内閣府「15~64歳人口の変化率(2015~2030年)」

そこで今回の記事では、HR業界における中長期的なメガトレンドと、2020年における最新トレンドを紹介していきたいと思います。

トレンドを常に認知しておくことで、VUCAと言われる今日の環境においても時代を先回りした組織開発ができますので、ぜひ今後の為にお役立てください。

本記事で紹介する内容

経営者・人事が必ず押さえるべき4つのメガトレンド

1. 集団ではなく、1人ひとりへのアプローチ
2.「変化」にすばやく対応できるアジャイル型組織
3. 固定概念に囚われない、アナリティクス(データ)の活用
4. 階層組織から、オープンで透明性の高いネットワーク組織へ

最新!2020年におけるトレンド【6選】

1. ホリスティックなHR
2. 男女格差へのアプローチ
3. インクルーシブ・リーダーシップ
4. 身体的、感情的、環境的な職場環境の監査
5. 従業員の「ウェルビーイング」に焦点を当てる
6. ピープルアナリティクス



経営者・人事が必ず抑えるべき4つのメガトレンド

まず、最初にHR業界において、必ず抑えておくべきメガトレンドをご紹介します。

ここで紹介する4つのトレンドはここ数年、常に注目されており、後半で説明する2020年のトレンドを知る上での背景知識としても重要です。

1. 集団ではなく、1人ひとりへのアプローチ
2.「変化」にすばやく対応できるアジャイル型組織
3. 固定概念に囚われない、アナリティクス(データ)の活用
4. 階層組織から、オープンで透明性の高いネットワーク組織へ

それでは、見ていきましょう。

1. 集団ではなく、1人ひとりへのアプローチ

これまで、HRは「全員に適用されるひとつの型」を目指してきました。例えば、あるポジションを募集している時、人事は「このポジションに適している一定の人数を探すにはどうしたらいいか」を考えます。つまり、まず「会社のニーズ」から考えていたのです。

しかし現在は、会社のニーズではなく個人のニーズ・能力・希望を優先し、人事施策に反映させる企業が増えてきています。

例えばAirbnbでは、人事・総務部をEmployee Experienceと呼び、「美味しくてヘルシーな社食の献立を考えたり、社員の面倒をいろいろと見る部署です」と説明しています。

この背景には、従業員体験(Employee Experience)の向上が、従業員のパフォーマンスの向上につながっていると言われていることがあります。

※参照:Airbnb採用ページ

airbnb採用ページ


2. 「変化」にすばやく対応できるアジャイル型組織


アジャイル組織とは、ソフトウェア開発で取り入られているアジャイル開発の概念を、開発組織だけではなく組織全体に適応する考え方です。アジャイルとは「素早い」「機敏な」という意味ですが、小さくても良いので素早く顧客に価値を届け、顧客のニーズを学習することを重視します。

アジャイル組織について詳しい説明はこちらの記事を参照ください。

アジャイル組織は、市場や経済の変化にすばやく対応することができます。その最大の特徴はマネジメントにある言われており、特に、以下の4つがカギとなっています。

・役割が明瞭化されている
・中央集権型ではなく、自律分散型の構造
・従業員が共通の価値観を持ち、企業のミッション達成に向けて動く
・人を奮い立たせるようなリーダーが多い

このような組織は健康状態がよく、従業員のパフォーマンスも向上するという特徴もあります。

例えば、音楽ストリーミングサービスでおなじみのSpotifyを提供するスウェーデンの企業Spotify Technologiesは、アジャイル組織の先進事例です。Spotifyの組織構造は「Spotify model」と呼ばれ、様々なところで取り上げられています。

Spotify model最大の特徴は、「どれだけ効率よくゴールにたどり着くか」ではなく、「ゴールを見つけるための試行錯誤(PDCA)をどれだけ高速で行えるか」つまりはプロダクトやサービスの企画からリリースまでをいかに早く回せるか、に重点を置くことです。

3. 固定概念に囚われない、アナリティクス(データ)の活用

変化の激しい現代においては、「今までやってきたから…」「このままやっていけばいいはず…」といった固定概念を捨て、事実と証拠、つまりデータに基づいて行動を変化させることが求められています。

analytics

例えば、LINE株式会社では、毎年300人以上ペースで社員が増えているため、どのように多様なチームの成功をサポートできるか、ということに課題を感じていたそうです。

そこで同社では、2017年5月より、高頻度のアンケートを通じて組織の状態を可視化する「従業員向けパルスサーベイ」と「人間関係の診断サーベイ」を導入。

両者をセットで運用することで、チームの変化を早期に認識し、その原因に対しての仮説や改善策が立てやすくなったそうです。

LINEで導入しているパルスサーベイでは、組織風土や上司との人間関係、自己成長といった項目で、「組織の状態」がスコアリングされます。

導入している部門には「スコアの変化に注目してください」と伝えています。

というのも、絶対値が良いに越したことはありませんが、組織によって置かれた環境は異なりますし、LINEでは皆、難しい挑戦に直面しています。

その挑戦をサポートするためには、組織の健康状態の変化を早期に発見し、その原因を特定して、改善につなげていくことが重要だと考えています。

※参照:SELECK

4. 階層組織から、オープンで透明性の高いネットワーク組織へ

従来のヒエラルキー型の組織では、意思決定までに時間がかかりすぎます。また、階層ごとに持っている情報、知識が異なるため、マネージャーと部下のあいだでのミスコミュニケーションが増えます。

このような事態を防ぐために、マネージャーが常に戦略について更新、共有し、他のメンバーがそれに基づいた行動を行えるシステムをHRが作っていく必要があります。

これらのメガトレンドは近年順調に影響力を拡大していて、ForbesやMcKinsey & Companyをはじめ、数多くのメディアで取り上げられています。

※参考: Forbes, HR TREND INSTITUTE, McKinsey & Company

 

最新!2020年におけるトレンド【6選】

上記のようなメガトレンドを踏まえて、2020年に特に注目を集めているのは以下の6点です。

1. ホリスティックなHR
2. 男女格差へのアプローチ
3. インクルーシブ・リーダーシップ
4. 身体的、感情的、環境的な職場環境の監査
5. 従業員の「ウェルビーイング」に焦点を当てる
6. ピープルアナリティクス

1. ホリスティックなHR

ホリスティック(holistic)とは、「全体論」「全体論的な」といった意味をもつ言葉です。ここでの意味合いは、従業員を1人ひとりの人間として全体的に捉える、ということです。

従業員を単なる「駒」とみなしてタスクや利益のことばかり見ていると、従業員の身体的、精神的のケアがおろそかになり、最終的には良い人材を長期的に確保することが難しくなります。

例えば、Google社の福利厚生はとても有名ですが、従業員の健康をとても重視しています。本社敷地内にはジム、バレーボールコート、ボーリング場などの施設があり、社食も3食無料で提供されています。

canteen

また他にも、マッサージ、音楽レッスン、ペットを連れて出勤できるなど、様々な社員特典があり、同社が従業員の業務時間外での健康的生活を支えていることがわかります。
※参照:13 incredible perks of working at Google

2. 男女格差へのアプローチ

多くの国で、職場における男女の扱いの差はいまだに大きいとされており、日本も例外ではありません。特に男女間の賃金格差に関しては、2020年により積極的でインパクトのあるアプローチが必要です。

例えば、フォーチュン紙による「最も働きがいのある会社TOP100」の上位に常に顔を出すSalesforce社は、コアバリューの一つに「平等」をおき、CEO直下にChief Equality Officer(最高平等責任者)が据えられています。

社内だけでなく社外でも平等な職場づくりや、自社サービスの人道性について指揮を執っています。

※参照:Salesforce

3. インクルーシブ・リーダーシップ

インクルーシブ・リーダーシップは、新しいリーダーシップの概念です。

リーダーシップと聞くと1人の指導力の高いリーダーのことをイメージしがちですが、こちらは組織の1人ひとりがリーダーとなって、組織のドライバーになる、という考え方です。

これを実現させるには、高いエンゲージメントが求められ、かつ従業員に内発的なモチベーションが必要になります。

例えばスターバックスではすべての店舗で「成功循環モデル」というものを回しています。

1人ひとりが「ここにいる理由」を考え抜き、個人のやりたいこと・チャレンジしたいことを明確にし、その機会を提供することでパートナー(従業員)の内発的動機を培っています。

参照:SELECK

4. 身体的、感情的、環境的な職場環境の監査

設備が整った職場環境…というと、集中室ルームや、スタンディングデスク、さらにはフィットネスセンターなどが備わったオフィスが思い浮かぶのではないでしょうか。

Futurework社とView社は北米の1,601人を対象に調査を実施し、どの福利厚生がに最も重要なのか、生産性にどのような影響を与えているのかを明らかにしました。

その結果は、意外にも空気の質、自然光が届いているか、自分専用のワークスペースが作れるか、という要素が最も生産性に影響を与えていることがわかりました。

特に空気の質が悪いと、日中の従業員の作業効率に1時間以上のロスがあるとの結果が出ました。職場環境においての、感情的、身体的、環境的健康を定義し、しっかりと従業員から問題点を吸い上げていくことが重要になってきています。

※参照:Forbes

5. 従業員の「ウェルビーイング」に焦点を当てる

ウェルビーイングという単語が、多くの場所で聞かれるようになってきました。ワークライフバランスや従業員の健康を考える上でのキーワードとして、「従業員が満たされている状態」のことを指します。

しかし、時代の変化に伴い、従業員が身体的・精神的に健康な状態を保つことが難しくなってきています。PwCのChief People Officerのマイケル・フェンロン氏はこう言っています。

 いくつかのマクロトレンドによって、従業員のウェルビーイングが脅かされている。例えばデジタル経済の成長、絶え間なく続くソーシャルメディアからの通知に対応する力の必要性。

私たちは、いまこそ会社としてこの問題を研究し、行動を起こす時期であると判断した。

※参照:Forbes

従業員のウェルビーイングを保つためには、1人ひとりの抱える不安を具体的に把握し、解決する必要があります。しかし、上司と部下のコミュニケーションはどうしても不足しがち、もしくはタスクや案件の管理に偏りがちです。

その解決策として、1on1を導入する企業も増加しています。

6. ピープルアナリティクス


ここ数年、ピープルアナリティクスは様々な企業で導入が進んでいます。

※ピープルアナリティクスについて詳しい説明はこちらの記事を参照ください。

「ピープルアナリティクス」とは、社員や組織に関する「データ」を収集・分析し、組織づくりに生かす組織開発の手法です。

しかし、効率性と管理を重点に置いた調査は、従業員からするとどんなメリットがあるのかわかりづらいという問題があります。

そこで重要なのが、あくまでも「人」を重点に置いた調査を実施することです。

ただ従業員の気分や生産性、勤続年数を測るのではなく、従業員が何を問題だと思っていて、どんなことに困っているかを質問してください。そして、なにか施策を行うときは、その取り組みにはどのような背景があって、彼らにとってどんなメリットがあるのか伝えることが重要です。

従業員のことをより理解することで、データの捉え方も変わってきます。例えば、「誰がこのチームで高いパフォーマンスを出しているのか」ではなく、「なぜこの人は高いパフォーマンスを出しているのか」、「高いパフォーマンスを出すチームにはどんな傾向があるのか」といった視点でデータを見られるようになるでしょう。

まとめ

いかがでしたか。今回はHRにおけるトレンドをまとめてみました。

全体として、HRは「組織」中心の考え方から、「人」中心との考え方に変化してきていることがわかります。

そこで重要になるのが、1人ひとりと向き合い、個人の成功を引き出す「ピープルマネジメント」です。上記のような時代の変化に伴い、メンバーのパフォーマンス向上はもちろん、モチベーションやキャリア、働き方までを含めた「成功」にコミットするマネジメントが、より求められるようになってきています。

ピープルマネジメントについて、もっと詳しく知りたい方はぜひこちらの記事をご参照ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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