【Q&A・6選】納得感のある「評価」のために必要なことは?【THE TRANSITION「評価制度」#01】
フィードバック・評価 THE TRANSITION
2020. 07. 17

【Q&A・6選】納得感のある「評価」のために必要なことは?【THE TRANSITION「評価制度」#01】

組織変革の「時」に迫る、ドキュメンタリー形式のイベント「THE TRANSITION」

7月7日に開催した第3回では、フィードフォース社の岡田様グッドパッチ社の小山様をゲストにお迎えして、評価制度やフィードバックをテーマにお話いただきました。

講演中には、多くの方からチャット欄にてご質問を頂戴しましたが、時間内に全てお答えすることができなかったため、こちらのブログにて回答させていただきます!

※質問文は、一部を読みやすく編集させていただいております。

【目次】

  1. 評価・フィードバックはなぜ重要なの?
  2. 評価制度、こんな場合はどうする?
  3. フィードバックを伝えるときのコツは?
  4. 「ノーレイティング 」の運用方法は?

評価・フィードバックはなぜ重要なの?

労働人口の減少、働き方改革、転職市場の活発化....労働を取り巻く環境が大きく変化している現代において、「人事評価制度」の重要度は以前よりさらに高まっています。

さらに、「評価」に対する従業員の不満は、離職率にも大きく影響を与える要素とされています。

リアルタイムでフィードバックを送りあえるサービスを提供しているReflektive社が2019年に1,000人を対象にした調査では、全体の85%の従業員が、公正でない評価を下された場合には、「転職を検討する」と回答しています。

(※参考資料:New Reflektive Research

その一方で、2016年にLinkedinが行った調査によると、69%の従業員は「仕事の努力が公正に評価された場合には、より仕事に熱心に取り組む」と回答しています。

(※参考資料:5 Employee Feedback Stats That You Need to See

つまり評価制度は給与や待遇を査定するためだけのものではなく、従業員、そして組織の成長にも大きく関わる重要な役割を果たしているのです。

▼人事評価制度について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください

人事評価制度とは? その種類や特徴、押さえたいポイントを【先端企業の事例3選】と共に解説

評価制度、こんな場合はどうする?

Q:昇格とは逆に、降格や減額のルールは設定されていますか?

減額や降格のルールを設けている企業も多いと思います。ルールももちろんですが、同じくらい重要なのは、評価の際に「被評価者の現在地がどこか」をフィードバックによって示すことです。

その際にポイントになるのは、やはり「納得感」だと思います。「納得感」のある評価にするためにも、1on1の場をセッティングするなど、部下とのコミュニケーション量を増やすことも大切です。

また評価の際に「自己フィードバック」を記入してもらうことで、評価者と被評価者の認識の差を確認し合うことも、納得度の向上につながるでしょう。

 

Q:評価制度に対する納得感を醸成するために、会社として支援できることはありますか?

会社としては、1on1を導入するフィードバック文化を根付かせるといった支援があると思います。

▼1on1の導入については是非こちらの記事をご覧ください

【徹底解説】1on1とは? その目的と効果、導入事例(5社)を紹介

フィードバック文化を根付かせるためのコツを、今回は5つご紹介します。

①経営者や人事が率先してフィードバックを行う

まずは経営者や人事が積極的に行うことで、階層を超えてフィードバックを行うことがよしとされる文化を築くことができます。

②同僚同士のフィードバックを促す

同僚同士のフィードバックは非常に重要です。同僚同士で、よかった点・改善点をフィードバックし合うことで、お互いのことを良く知ることができます。また同時に、自身が価値ある人間としてその企業で働いていることを改めて認識する良いきっかけともなります。

③成長意識を従業員に持つように促す

フィードバックは受け手の成長を促し、パフォーマンスを向上させることを目的としています。それ故、従業員の成長意識が根本的に必要不可欠であることは言うまでもありません。

④フィードバックのトレーニングを提供する

フィードバックには、正しい伝え方があります。誤った伝え方では、最終的に従業員のパフォーマンスを下げてしまう可能性もあります。正しくフィードバックを伝え、フィードバックが価値あるものだと従業員に認識してもうらためにも、トレーニングは必須と言えるでしょう。

⑤頻繁にフィードバックを送り合う

1年に一回、もしくは半年に一回の人事評価の際に行われるフィードバックだけでは、過去に起きた出来事は忘れ去られてしまい、評価に対する納得度が下がりかねません。

月に1回・2回、もしくはプロジェクトごとに頻度の高いフィードバックを送り合うことで、評価に対する納得度を向上させることができます。

▼フィードバックについて、詳しくはこちらの記事も是非ご覧ください

フィードバックの意味とは? ビジネスでの使い方・フレームワーク・企業事例を徹底解説

Wistantでは、組織の状況や課題に合わせて、「目標管理」「1on1」「フィードバック」を適切な頻度で実施することができます。

1on1もフィードバックも、定着のためには量をこなすだけではなく、質を改善する必要があります。Wistantでは上記3つのアクションに関するデータを可視化することができ、ファクトに基づいたマネジメントの改善が見込めます。

新規CTA

 

Q:OKRは評価と紐づいていないとはいえ、達成度が低くても評価されることはありますか?

OKRは元々業務プロセスの「目的地」を明らかにするものなので、達成率が60〜70%ほど見込める「ムーンショット 」を設定することが推奨されています。

求められる達成率が100%ではない「ムーンショット」を設定する理由は、視座を高くし、常識や既存の枠に囚われない挑戦によって「非連続的な成長」を促すためです。

よってOKRの達成度が低かったとしても、目標に対してどれだけコミットできたか? を、「360度評価」や「バリュー評価」、「コンピテンシー 評価」など、自社のカルチャーに合わせた評価制度によって評価することが重要です。

▼OKRの評価制度との結びつきに関しては、「THE TRANSITION OKR #01」の質問回答の記事にて詳しく紹介しておりますので、是非ご覧ください。

【Q&A・11選】「OKR」の導入・管理のコツは?【THE TRANSITION「OKR」#01】

フィードバックを伝えるときのコツは?

Q:フィードバックを高頻度で行うと、キャパオーバーする可能性はありませんか?

何人も部下を抱え、フィードバックする対象が多すぎると、キャパオーバーする人もいると思います。よって、フィードバックを行う頻度を最大でも1ヶ月に一度と決めるなど、キャパオーバーしない頻度で、継続的に行うことが重要です。

Wistantではフィードバックの管理もできます。「期末フィードバック」「360度フィードバック」「セルフフィードバック」「新卒へのフィードバック」など、目的に応じて様々なテンプレートを予め用意しておくことで、マネージャーの工数を下げることができます。

▼フィードバック記入画面の例

スクリーンショット 2020-07-15 22.04.12

 

Q:フィードバックの際に気をつけていることを教えてください

フィードバックは、単に送るだけでは、期待する効果を得ることはできません。以下のポイントを押さえることで、より良いフィードバックを送ることができます。

まず、「心理的安全性」が担保されていることが重要です。「あなたを批判するためではなく、成長してもらうためにフィードバックを送っている」うメッセージが相手に伝わる必要があります。受け手を尊重し、礼儀正しく伝えましょう。

次に、フィードバックの内容は「具体的に」伝えましょう。良かった点・改善点だけに留まらず、どのような行動を取ればもっと良かったのかを明確に示すことがポイントです。

そして、フィードバックは「アクションの直後に送ること」が大切です。フィードバックは、受け手の行動に変化をもたらすことが目的なので、アクションを起こした時の「感情」や「周囲への影響」の記憶が明確なうちに伝えることでフィードバックの目的を果たしやすくなります。

▼具体的なフィードバックの例はこちらの記事で紹介しておりますので、是非ご覧ください。

【実例アリ】新入社員を凡庸にするアドバイス vs 尖ったエースに変えるフィードバック

「ノーレイティング」の運用方法は?

Q:ノーレイティングの詳細と、具体的な運用例が知りたいです。

1年に一度の人事評価では、従業員のパフォーマンスを向上させるのが難しいという背景から誕生した「ノーレイティング」

ガートナー(リサーチ会社)が行った調査によると、95%の従業員が年次ベースの評価手法に対して不満を抱いているといいます。

ノーレイティングは、上司が日常的に「フィードバック」を送ることが大きな特徴です。上司は部下の働きぶりをリアルタイムで確認でき、部下は高頻度で上司とコミュニケーションをとることができるので、モチベーションやパフォーマンスの向上に寄与するというメリットがあります。

具体的なノーレイティングの運用については、過去にSELECKでアドビシステムズ社に取材した際の記事も参考にしていただければと思います。

同社では、過去、年間目標の達成度合いでランク付けを行う「アニュアルパフォーマンスレビュー」という仕組みで評価を行っていました。

しかし、ひとりの評価に時間がかかりすぎてしまう上に、従業員からは「有用なフィードバックが得られない」「評価に納得できない」といった不満の声が上がっていたといいます。

そこで、2012年より「チェックイン」という形で「マネージャーと従業員のコミュニケーションの場」を設けることをメインにした、新しい人事制度を導入しました。

すると、従業員は以前よりもサポートされていると感じられるようになり、個々人のパフォーマンスが向上したり、よりチャレンジングな環境が醸成されたといいます。

▼同社のチェックインで話される3つのトピック

▼記事はこちらランク付けをやめ、納得感のある人事制度を実現。アドビ「チェックイン」運用の実態

しかし、ノーレイティングには課題もあります。それは、上司が適切なフィードバックを送ることが前提条件になっている、ということです。

そのため、フィードバックを運用する側がその点に気を配り、設計をする必要があります。Wistantでは、自由にフィードバックのテンプレートを作成できるので、運用担当者の負担を減らします。

▼フィードバック管理画面

スクリーンショット 2020-07-15 22.06.14

▼ノーレイティングについてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

ランク付けしない評価制度「ノーレイティング」とは?【事例3選】を用いてメリデメや導入時のポイントを解説!

終わりに

いかがでしたでしょうか。

この度、弊社主催のイベントにご参加いただいた皆さま、改めてありがとうございました。

弊社では、マネジメントに関する個社別の相談会も実施しております。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお申し込みくださいませ。

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