1on1のときって実際、みんなどんな話をしているの…? そんな疑問を持ったことはありませんか?
本記事では、弊社で実際に行った1on1の内容を、フルで書き起こして公開する新企画「1on1・全文書き起こし」をお届けします!
今回の1on1は
・直接の上司部下ではなく、部門を越えた「斜め」のペア
・メンティの「短期・中長期のキャリアに関する悩み」が主なテーマ
・時間は30分
で実施しています。
・メンターは、どうやってメンティの課題を深掘りしていくのか?
・話す内容をどのように決めているのか?
・1on1の「ゴール」をどう設定するのか?
といった、1on1をより充実させるためのヒントが満載ですので、ぜひ、読んでみてください!
※「1on1って何?」という方は、こちらの記事をご覧ください。
(↓今回の1on1にあたって、Wistantを使って事前に準備したアジェンダ。細かい内容は、のちほどの書き起こしパートで公開します))
メンター:通称「1on1マエストロ」飯岡さん!
RELATIONS株式会社にて、組織改善コンサルタントとして日本各地のクライアントの元で組織改善を伴走。
1on1メンターはのべ1,000時間超。経営者からマネージャー、スーパーの店長まで、幅広い役職の方に1on1を実施。
メンティ:「悩める新卒2年目」福濱さん!
2018年、RELATIONS株式会社に新卒入社。立ち上げ期の「Wistant」にてカスタマーサクセス 兼 営業を務めたのち、
2019年の6月にコスト改善コンサルティング「Less is Plus」の営業チームへ。社内ではTwitter部の部長としても活躍中。
それでは、早速見ていきましょう!
弊社の場合、1on1の前にメンティがWistantの「事前アンケート機能」を使って1on1のアジェンダを作成します(※Wistantの1on1機能については、こちらの記事で公開しています)。
1on1においては、メンティ側が事前にふりかえりと内省を行い、話したいことを整理しておくことが非常に重要です。
完成したアジェンダをメンターとメンティで共有しながら、1on1を行います。
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(※ここからは、書き起こしになります。ポイントになりそうな箇所については、オレンジでハイライトしているので、ぜひ参考にしてみてください)
ー(飯岡)Wistantの事前アンケート読みました。今日はどうします? 上から順に行くか、先に話したいことがあるならそちらからでも。
(福濱)この順番で大丈夫です!
ー(飯岡)ではまず「良かったこと」をひとつひとつ聞いていきますね。「ファインディングにて、W社、R社、T社のアポイントが取れた」これはどんな良かったこと?
(福濱)いま自分がいる営業チームの目標は「有効面談をどれだけ獲得するか」なんですけど。その目標に対して、割と知名度の大きい企業のアポイントを、事前によくヒアリングできた上で獲得できたことが、この2週間では良かったことかなあって。
ー(飯岡)これはこっちもちゃんと準備をして、それでうまくいったの? それともなんか、ラッキーパンチ的な?
(福濱)このタイミングでこの3社は取りたいな、と思っていたので、自分としては割と狙った通りいったな、という。
ー(飯岡)え、じゃあ、すごい良かったんじゃないのこれ?
(福濱)そうですね。まぁ、想定通りいったなっていう気持ちよさはありました。
ー(飯岡)いいですね。次の「良かったこと」は、「チームで始めた朝会が続いていて良かった」。
(福濱)営業チームって出張が多くて、月曜日以外はなかなか顔を会わせない。しかも最近は祝日も多かったので、ほとんど会わないという期間が2〜3週間続いていて。みんながどこで何をしているのかも把握していない状態だったので、変えていきたいなと。
(福濱)それで、他のチームもやっているSlack上の簡単な朝会ができたらなと思って、10月中旬ぐらいに始めたんです。
ー(飯岡)じゃあもう1ヶ月くらい?
(福濱)はい。続いてて、みんな反応してくれてはいるので、そこはチームとして良かったかなって。
ー(飯岡)これは福濱が「やりましょう」って言い出して、みんなが合意でやってみようかって?
(福濱)はい(照)。
ー(飯岡)え、すごいじゃん。今後はもうちょい続けて行きたいなって思う? もしくは、やってるうちに、「ここちょっと微妙かも」と思っていることってありますか?
(福濱)もうみんなルーティン化できてるかなと思います。入力に対するハードルみたいな、最初が一番ハードルだったかな。そこがなくなってきたので、あとはまぁ、本当に細かいところですね。
(福濱)最後に、今日の一言みたいな感じの所感を書くのですが、そこをアレンジしても面白いかな。今だと「頑張りましょう」だけだったりするので。
ー(飯岡)「頑張りましょう」じゃなくて、なにか別の一言ってこと?
(福濱)本当に書くことない時って、「今日も一日頑張りましょー」だけになっちゃうので。昨日、何食べたよ、みたいなコメントだったら、周りはコメントしやすくなるかなと。
ー(飯岡)確かにね。いいすね。いいすね。次は、「ファインディング業務の完成度でいうと、 70〜80%のイメージはついている」
(福濱)これは、ちょっと長い期間で見た話で。もともと自分は6月くらいに異動してきて、いま3、4ヶ月。その中で、目標の達成度もそうだし、仕事としての完成度がだいたいそのくらいになってきたかなという、そんな感じ。
ー(飯岡)「わかってきたな」っていう?
(福濱)はい。一通り業務に対してはイメージがついた状態なので、一旦、「自分がここには到達せなあかんな」というところまでは乗ったなという感覚。
ー(飯岡)合格ラインというか、目指していた及第点には行けたなっていう感じか。逆に残り20%ちょっとは、「もう少し」みたいなところがあるの?
(福濱)そこはあります。課題としては、結構、属人化しちゃってるなっていう。次に新しい人が入ってきたときに、1ヶ月で僕のこの状態になれるように形にできていないというか。なので、自分がやるべきことはまだいっぱいあるなと思っている。
ー(飯岡)なるほどね。型化していきたいと。いいっすね。わかりました。じゃあ、悪かったこと行きましょうか。
(福濱)今回出したことって、全部が漠然としてると思うんですけど…
ー(飯岡)いいよ、いいよ全然。えーと、まず「キャリアの1年後のイメージはついているが、その後のイメージがはっきりとしない」これはどういうことですか?
(福濱)1年後くらいまでに、全社的な営業チームの責任者くらいにはならなあかんな、というイメージでやっているつもりで。ただ、その後のイメージがあんまりないというか。
(福濱)まだこのイメージはなくて良いとも思ってるんですけど…これは良いのか悪いのかみたいな。僕は、あんまり深くまでイメージしすぎると、変な制約がかかって動けなくなるタイプだと自分では思っているので、あえて考えないようにしているんですけど。これで良いのか悪いのか…。
ー(飯岡)まずは、目の前やちょっと先のことを考えているけど、すっごい先のことは…ということね。なるほど。ちょっと先に次を聞いておこうと思うんだけど、悪かったことの2つ目が「去年に比べてインプットする量が減っている」
(福濱)これは習慣的に本何冊読むとか、1日記事何本読むみたいなのを、去年はやってたんですよ。それがちょっとダレちゃってきてるかなって。
ー(飯岡)ふむふむ。3つ目は、「直近では、クローザー(営業のクロージング面談を担当する役割)にならないといけない。そのための取り組みをなかなかできていない」直近、クローザーにならないといけないんだ?
(福濱)いや、気持ち的にそう思っていて。そうなれないと、意味がないなっていう感じです。
ー(飯岡)でも、そのための取り組みがなかなかできていないと。じゃあ、この3つの中で、どれから話しましょうか? どれが一番ウェイトを占める?
(福濱)一番気になっているのは、最後のやつかもしれないですね。
ー(飯岡)直近でクローザーにならないといけないけど、その取り組みがなかなかできてない。じゃあそれから行きますか。もうちょっと、どういうことかっていうのを教えて欲しいです。
(福濱)今のチームに入って、さっき言ったように70〜80%はできるようになった一方で、これ以上のとこになると面白味がなくなってくるんやろうな、みたいな…。
ー(飯岡)工夫の余地がないとか、そんな感じ?
(福濱)…それはちょっとあるかもしれない(考え込む)。だいたい型があって。でもその中で、自分なりの面白味を見つけて、事業により価値を与えていきたいということをずっと思っている。
(福濱)いまはファインディング(有効面談を創出する役割)がメインになっているけど、そのためにはクローザーまでできるようにならないといけない。でも、今はチームからメンバーが異動したこともあって、ファインディングのための紹介企業の引き継ぎも多くて。
(福濱)なかなかクローザーになるための成長の時間を、定期的に取れていない。そこは自分で課題を持たないといけないなって。
ー(飯岡)それって、よくないことなの?
(福濱)自分的には良くない…。
ー(飯岡)もっとクローザーとして経験を積めるように、自分に仕向けていかないといけない?
(福濱)いけない。
ー(飯岡)話を聞いていると、いまやっているファインディングの業務もどんどん増えているし、それがメインの業務だから、集中しないといけないよなって気持ちもある?
(福濱)それもありますね…。
ー(飯岡)そのふたつを客観的に見た時に、どっちをやっぱり優先させるべきなのか…主観も入るけど、客観的に「第三の福濱」が見たときにはどう思う?
(福濱)いま僕が考えているところでは、今年の末まではファインディングだと思っていて。1月くらいからは、もっとクローザーに行かないと。そのために年末くらいからは営業を増やして行かないといけないかなって。
ー(飯岡)そうやっていこうと思った時に、どんなハードルがあるのかな。
(福濱)そもそも年末のタイミングでここを変えられないと、この悩みはずーっと変わっていないのかなっていうのはあります。
(福濱)いま、ファインディングだけでパンパンっぽくなっているのは、そもそも引き継いだばかりの先も多いから、ということはあると思っていて。徐々に慣れてはきたので、うまく浮いた時間を作れるかなと思ってはいるんですけど。逆にそういう状態に年内にならないと、あとあとに伸ばし伸ばしになってしまうんじゃないかっていう不安が…
ー(飯岡)なるほど。引き継いだ先の業務に慣れるかは、これからやってみないとわからないということか。
(福濱)そうですね。
ー(飯岡)そういう意味だと、まずクローザーをやる時間を作らないと、ということが大きな話としてあると。そのために今の自分のやっていることを少し圧縮しないといけない。少し話がずれちゃうかもしれないけど、チーム的には、福濱がクローザーをやりたいと言ったらやれるの?
(福濱)それは全然(できる)。むしろそっちはぜひやらないとね、と話しているくらいです。
ー(飯岡)チーム的には、ファインディングとクローザーどっちが足りてないとかあったりするの? 実はクローザー足りていません、とか。
(福濱)どっちかというと、ファインディングの方が足りていないです。
ー(飯岡)だからファインディングの案件の引き継ぎもあると。どうしようか? 今だと、慣れてくれば時間を圧縮できるというのもあるけど、他にできることはあるのかな?
(福濱)そもそも前は異動してきたばっかりで業務の方が身についていなかったけど、いまはそこはもう少し早く進められると思っている。
ー(飯岡)異動したての頃と違って、今回は優先順位つけながら、少しは効率よくできるんじゃないかと。ファインディングで一番時間を使うことは何なの?
(福濱)個別の担当者へのアプローチは一番時間かかるし、かけるべき。日本各地にいるので、会いにいくのが時間かかります。
ー(飯岡)それって全部やらないといけないの? さっき優先度の話があったけど。
(福濱)全部やる必要はないです。引き継ぎとタイミングなので、まず直接挨拶しに行かんといけないみたいなところが、まぁ、パツパツになってしまっているというのはあります。
ー(飯岡)もう少しメールとか、電話、Zoom(テレビ電話)でやっちゃうとか。
(福濱)そうですね、それは縮小できるかなってイメージです。
ー(飯岡)それを年内くらいだよね。年内くらいにクローザーがやれるくらいの、工数を開けておく。というイメージ。1週間でいうと、1日分くらい開けておくとかって、できるイメージあります?
(福濱)まぁでも、頑張ったらいけるかも。なイメージです。
ー(飯岡)うまく行かないとしたら、どういう理由がありそう? 今の話を聞いてると、できそうだなぁって俺も思ったけど。
(福濱)うーん。全く違うことをやりだす可能性が高い…。
ー(飯岡)え。どういうことどういうこと?(笑)
(福濱)工数が空いたときに、クローザーじゃなくて新しいメンバーのオンボーディングをやってくれ、みたいなことになるかもしれない。
ー(飯岡)違う業務が寄って来る、ということね。
(福濱)とかは、あるのかな?ハードルとしては。
ー(飯岡)今のまま業務割り当てでいけばうまく調節できそうだけど、違う仕事が入ってくるとその計画は崩れそうということだよね。
(福濱)オンボーディングもそれはそれでやりたいと思っているので、そこが難しいですね…。
ー(飯岡)あ〜。それはそれでやりたいと。じゃあまぁ、悩ましいけど、チームに、もう一回ちゃんと言ってみてもいいかもね。年内でなるべく工数開ける様にして、年明けからはクローザー何件かやりたいです、みたいな。
(福濱)そうだと思います。
ー(飯岡)どうすか、今バーっと話を聞いてみたけど、今後やるべきことのイメージはついたかな?
(福濱)それはイメージつきました。クローザーやりたいとは言っていたものの、ここまでめちゃくちゃ言語化したことはなかったので。
ー(飯岡)アクション的には、年内のファインディングの工数を圧縮していく。
(福濱)そうですね。12月には、クロージング面談に2、3件は同行したいですね。
ー(飯岡)あ、12月にもうやっちゃう? 早かったからびっくりした。じゃあ次アクションとしては、12月に営業3件いく。そのために、ファインディングの工数を圧縮すると。あと、チームにもう一度、クローザーやりたいと言っておく。これは言える場面はありそう?
(福濱)言えますね、1on1もあるので。
ー(飯岡)よし、じゃあ、1on1で言ってみよう。
(↓決まったアクションは、このようにWistant上で「次アクション」として設定できます)
ー(飯岡)時間がけっこう迫って来てますが、他に気になることありますか?
(福濱)アジェンダの最後に書いたんですが、キャリア的なところの話で、飯岡さんはどういう風に深くまで掘り下げているのかちょっと聞いてみたいです。
ー(飯岡)完全に僕の意見なんですけど、20代の頃はちょっと先を思ってた。4、5年先くらいまで行かなくても、30になったらこうなっていたいなみたいなことは考えたりしていたなあ。でも今はやめた。
(福濱)それはどうしてですか?
ー(飯岡)20代のころは、ここに行きたいから、ここに集中みたいな感じでキャリアを収縮させてうく方向で考えてたんだけど。でも逆に今それやると、世界がどんどん狭まるような気がするから、敢えてやってない。
(福濱)僕は30くらいになったら、起業したりだとか、自分で事業組織を作れる状態にはなっておきたいなとは思っているんですけど。なんかそこまでの「間」がイメージできていない。1年後とか。
ー(飯岡)なんか、ぼやーとしてると。でも、ゴールはあるんだ?
(福濱)それはあります。
ー(飯岡)あ、それはいいじゃん。いつかはやりたい、ということがあるんだよね? そのくらいでいいと思う。
(福濱)人によっては、めっちゃ、2年後、3年後まで細かく考えてたりするなあと…
ー(飯岡)個人的な意見だけど、3年後なんてわからないと思うけどね。ただ、2年後や3年後を一回しっかり考えてみるのは良いと思う。
(福濱)そのための時間を作ってないっすね。
ー(飯岡)時間を作って考えてみたら案外「あ。こういうことね」ってことがあるかもしれない。あと何だろう、例えば「事業作りたい」なら、それをどんどん発信するのも良いかも。自分が騒いでたら、周りが「そんなんじゃ作れねぇ」「お前には誰もついていかない」とか言ってくると思う。そしたら、「じゃあなんでですか?」って聞くと、「こういうところが足りていないから」って教えてもらえるから。どうかな?
(福濱)たしかに。いいですね。
ー(飯岡)そうだね。まず直近は、頑張ってクローザーやっていくってことだね。今日はありがとうございました。
(福濱)ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか? 今回、1on1を聞かせてもらって、特にメンター側の視点では以下のようなポイントがあったと思います。
・メンティ側が「話したいこと」を明確にしながら、アジェンダをうまく使って進行する
・メンティが考えることを手伝うような投げかけ(質問)を繰り返し行う
・問題を解決する「次アクション」を設定する
・メンティに求められた場合は、メンター個人としての意見も伝える
ぜひ、真似してみてはいかがでしょうか。飯岡さん、福濱さん、ありがとうございました!
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