1on1とは、メンター(多くの場合マネージャー)とメンティ(部下・メンバー)が1対1で対話をする場のことです。
この記事ではメンター・メンティーの立場や役割、とるべき行動と避けるべき行動を事例を使いながら紹介します。
1on1におけるメンターとは、相手(メンティ)の話を聴き、その成功を支援する役割のことです。 1on1においてメンターはあくまで脇役であり、傾聴を基本的なスタンスとしながら、ティーチング、コーチング、フィードバック等を用いて、メンティを支援します。
通常のビジネスシーンでは会社の上司がその役割を務めることが多いですが、必ずしも上司である必要はなく、同僚や異なる部署の上司、社外の人材などがメンターとなることもあります。
メンターを誰が務めるのが最適なのかは、業務についての相談なのか、内省を深め経験学習を促進するのか、精神的な支援が必要なのかなど、その1on1の目的によって異なります。
1on1におけるメンティとは、1on1における主役であり、相手(メンター)の助けを借りながら、自身の業務上の問題解決や、経験学習による自己成長、キャリアの整理などを図ります。
メンティがメンターの支援を適切に受けるためには、行動の振り返りを行い、自己開示をしながら話す姿勢が重要です。
通常のビジネスシーンでは会社の上司に対して部下がメンティとなりますが、同僚同士でメンター・メンティとなるケースもあります。
1on1の目的は、個人のパフォーマンス向上です。1on1は。マネージャーが部下に対し一方的にレビューをするのではなく、あくまでもメンバー個人のパフォーマンスを上げるための場となります。
ですので主役は、「話をする側」であるメンティです。メンターは、あくまでもメンティをサポートする脇役になります。
そのため重要になるのが、メンター・メンティの「姿勢」です。前提として、1on1には下記のようなスタンスでのぞむことが良いとされています。
・1on1はメンティのための時間。主役であるメンティが話したいことをテーマにする。
・メンターは、1on1を通じてメンティの行動と学習を促進し、モチベーションや成長スピードを高める。
・1on1はメンティとメンターの協働作業である。一緒に考え、伴走する。
上記を踏まえて、メンティ、メンターがとるべき行動とは具体的にはどのようなものなのでしょうか? まずはメンティ側から見ていきましょう。
◯ 推奨される行動
・自分のパフォーマンスを高めるために、目標に対して良かったことや悪かったこと(課題)を事前に内省し、気づきを得る。
・メンターはあくまでもメンバーの気づきを促すための存在で、答えを教えてくれるわけではないという認識を持つ。
・気付きを得たら、それを実際のアクションに落とす。
・あらかじめ1on1で話したいこと(アジェンダ)を設定する。
一方で、推奨されないのは下記のような行動です。
✕ 推奨されない行動
・事前準備をせずに、いきなり1on1に臨む。
・メンター任せで、自ら内省(ふりかえり)を行わない。
◯ 推奨される行動
・メンティの内省を促進するためのフィードバックを行う。
・アジェンダに従ってメンティが話したいことを引き出し、課題を深掘りできるように問いかける。
・メンティ自身で解決策を出せるよう問いかけをする。
✕ 推奨されない行動
・自分が話したい話を一方的にする。
・メンバーの話をよく聞かず、「その問題は要はこういうことね」と勝手に解釈してまとめる。
・メンバーの行動について評価を下したり、仕事のやり方や失敗を詰める。
・「なぜ?」を繰り返し尋ねる。
・自分の話をする。
1on1の導入初期に陥りがちな失敗は、1on1が「評価面談」のような場になってしまうことです。マネージャーが一方的にメンバーに話をするような場にならないように、強く意識しましょう。
したがって、特にメンター側には、メンティの話を引き出し、深掘りする高いスキルが求められます。メンターが身につけるべきスキルについては、こちらの記事で具体的に解説しています。