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【社外メンター体験談 vol.1】「自分の価値基準の押し付け」からの脱却――部下に“求めすぎていた自分”に気づいた管理職Aさんの変化

▼お話を伺った方

  • お名前 :Aさん
  • 業界  :大手建設企業
  • 会社規模:従業員数 30,000人以上
  • 年齢  :40代
  • 役職  :​​管理職・マネージャー

 

▼本記事のポイント

【管理職Aさんの悩み】
若手の部下との関係がうまくいかず、自分の期待や思いが伝わらないことや、部下の反応が薄いことに対してイライラしやすいご自身への悩みがあった。人を育てる仕事が目に見える成果として現れないこと、人材育成という無形の努力に対する成果、それに対する評価が得られにくいという点も悩みの種になっていた。

【メンターズへのご相談】
実施している1on1の進め方や、部下との関係をどう改善するか、どのように伝えるべきかについて相談。

【変化】
部下に対して「自身の価値基準を押し付けない」「部下に求めすぎない」ように意識が変わり、部下との適切な距離感を持つことができるように変化。それまで持っていた、管理職としての固定観念やプレッシャーから解放されたことで精神的にも楽になり、部下との関わりに感謝の気持ちを持てるようになった。

 


 

ーーインタビューの機会をいただき、ありがとうございます。まずはじめに、ご自身の役割や普段の業務内容について、教えてください。

Aさん:私は、社会インフラ整備に携わる企業で管理職をしています。主に、プロジェクトのスケジュール管理や予算管理等、プロジェクトを円滑に進めるための総合的なマネジメントを行う役割です。特に、安全に工事を進め工期内に工事を完了させ、使用開始に繋げるために常に緊張感があり、大きな責任が伴う役割だと感じています。大きなプロジェクトであるほど、現場では予想していないトラブルが起こることも多く、一つひとつの課題を丁寧に細かく紐解いて解決していかなければならない、繊細な役割でもあります。

プロジェクト管理に加えて、プロジェクトの遂行というゴールにチーム全員が到達できるように、部下を指導・育成する、ということも管理職として求められています。



ーープロジェクトマネジメントと、ピープルマネジメントのうち、Aさんはどちらが「特に難しい」と感じられていますか?

Aさん:どちらも難しいのですが、やはり「人を育てる」方が難しい、と感じます。プロジェクトマネジメントにおいても、人の助けを借りたり、チームで協力し合わなければうまくいかない、などの難しさは当然ありますが、プロジェクトマネジメントは目標や成果が見えやすいことから、マネージャーとしてゴール達成に向けてやるべきことや方向性を示す事はこれまでの経験もあり人材育成より容易かと思っています。

一方でピープルマネジメントに関しては、すぐに成果として数字の変化が明確に現れるわけでもなく、育成手法にも正解がありません。部下に合わせて関わり方も変えなければならないなど、細やかな気配りも必要です。特に、最近では『ハラスメント』という、我々が新入社員時代になかった概念への配慮も管理職として強く求められており、管理職として果たす役割、特に、Z世代と呼ばれる若手社員との関りは非常に難しいと感じています。よって、担当しているプロジェクトが難航している時ほど、余裕がなく、育成から離れたい、部下と距離をとってしまいたい、と思ってしまう悪循環があります。



ーー人を育てても、管理職の方は褒められるわけではないですしね…。

Aさん:その通りです。人を育てるって「無形」だと感じています。部下をどれくらい育成したのか、成長したか、ということは短期間で見えるものではなく、また数値化できるものでもない。更に、社内で誰かに評価してもらえたり、褒めてもらえるものでもない。目に見えない仕事だからこそ、簡単に評価できるものでもない。

人を育てて、目に見えた変化や形として成果がでるタイミングは数年後かもしれないし、数十年後かもしれない。一方で管理職として、部下の育成は重要な業務と認識している。部下に対しては一日でも早く成長し、即戦力として活躍してほしいという強い期待もあります。だからこそ、人を育てることと、日々の仕事にギャップを感じて、難しさを感じてしまうように思います。



ーー人を育てる難しさについて、特にどのようなシーンで「難しい」と感じられますか?

Aさん:そうですね…。自分の期待が部下にうまく伝わらない時でしょうか…。自分が伝えたメッセージがうまく部下に伝わらなかったり、部下に期待している行動が起きない時などに「他の人に頼んだ方が、自分がやった方が早い」と思ってしまうことがあります。特に世代の違う部下に対して、自分の思いが伝わらない、と感じることが多く、もどかしく思います。

部下からリアクションが返ってくれば良い方なのですが、そもそもリアクションが返ってこない時もありますよね。なかなか響かないですよね。フランクに話しかけようと努力しても、肝心の部下の反応がない…。なかなか難しいな、と日々悩んでいます。

自分が若い頃に叩き込まれた社会人としての基本的なこと、当たり前、みたいなものもできていないと感じることがある。そんな時は、自分が教えていかなければ、と強く思います。私が若い頃に叩き込まれた基本的な事の中には、現在では良くわからない理由の『お作法』、『礼儀』みたいなものがたくさんあります。自分の価値基準では当然と思えることであっても、現代では当然ではないものもきっとあるはずです。そんな時は特に、指導したい、伝えたい、でもそれでいいのだろうかと非常に悩みます。

 

ーー管理職として想いを込めて丁寧に伝えたとしても、それと同じ想いが返ってくるわけではない、という辛さ、難しさがあるのですね。

Aさん:そういう期待と現実のギャップにモヤモヤしていたんだろう、と思います。そのモヤモヤをなんとか晴らしたい、という想いから、部下との1on1を始めました。人を育てることは正直「しんどい」けれど、いつか理解してくれるだろう、いつか伝わるだろう、と信じながら、部下といろんな話をしていました。

けれど、「暖簾に腕押し」状態は続いてしまい、一向に自分の想いが伝わる気配がなかったんです。1on1って、このままで良いのだろうか?と疑問を抱いていました。



ーー取り組まれている1on1のヒントを探りたい、との思いから「メンターズ」を知ってくださったと。

Aさん:そうです。通勤時間にたまたま見つけた「メンターズ」のPodcast番組に出会い、今日の1on1のヒントを探していました。そこで、メンターズに自分の1on1が果たして良いものなのか、間違っているのか、相談してみようと思ったんです。

40代〜50代の管理職はみんなそうだと思うのですが、「1on1がどういうものか」を管理職自身が若いころに体験していないし、知らないんです。1on1やコミュニケーションの研修を受けてみても、スキルやテクニックは学べますが、実践をどうしたら良いのかは完全に手探りになってしまいます。だからこそ、1on1を実践する側がまず1on1を体験してみたい、と思っていました。そんな中で出会ったのが、メンターズでした。

今回は、社外メンターの松江さんに担当していただいて、基本的な傾聴の姿勢や、部下との対話を深堀る質問のやり方を身を持って体験することができました。「こういうふうに聞くと、心地良いんだな」「こう言われると、安心できるんだな」ということを管理職である自分自身が体験できたことは、すぐに真似できるものではないとしても、貴重な体験だったと思います。

先ほど「モヤモヤしていた」と話したのですが、実はもう過去形なんです。松江さんと本当にいろんな話をして、自分自身の部下との関わり方を内省し、見つめ直して、自分の考え方が変わっていきました。

 

 

ーー数回のメンターズ・セッションですでに変化があるのですね。どのようなプロセスがありましたか?

Aさん:まず、部下との人間関係がうまくいっていないのではないか、と、最もモヤモヤを感じていることを相談しました。松江さんから「部下とどんな関係になっていたいか?」と問われた時に、「部下とフランクな関係になりたい」と答えたんです。部下といろんな話をしたり、雑談したり、相談したり。もっと仲良くなりたい、と答えました。松江さんからは「じゃあ、それを素直に伝えてみたらいいじゃないですか!」と言っていただいたんです。次回のメンターズセッションまでに、自分の気持ちを素直に部下に実際に伝えてみる、という宿題を課せられました。しかし、実際は言えなかったんです。


ーー仲良くなりたい、とは伝えられなかった理由があったのですね。

Aさん:そうなんです。部下と仲良くなりたい気持ちはある。でも、本当にそれだけなのか?「仲良くなりたい」と部下に伝えるだけで、果たして自分は満足するのか?関係性は解決するのか?と、自分に問いかけてみたんです。その思考のなかで、日々の業務の中で部下のどのような所にイライラした気持ちを抱くことが多いのか?を改めて考えたみたのです。考えてみた結果、自分は部下と仲良くしたいのではなくて、自分の思った通りに動かない部下にイライラしているのであって、「部下に対してイライラしたくない」という思いの方が近いのでは、と。

上司としての経験からくる自分の価値基準みたいなもの、つまり「こうあるべきだ」「こうするのが普通だ」という基準を持って部下と接する傾向が非常に強い、ということに気が付きました。部下に見返りを求める気持ちがあまりにも強すぎて、だから期待通りにいかないとイライラしやすくなってしまうと思いました。

併せて、その価値基準って本当に正しいの?求めるレベルに許容範囲みたいな幅というものはないの?みたいなことをその時、自問自答しました。その結果、自分でも驚きましたが、部下に期待しすぎることでイライラしてしまう、自分の現在地に気がついた途端に、なんだか急に気持ちが楽になったんです。部下と適切な距離を取れるようになったり、自分が先取りしてアクションを取りすぎないように、自分の行動を調整できるようになりました。イライラが減ったことで、精神的な状態も非常によくなったと感じます。


ーーとても大きな変化ですね。肩の荷が降りた、という感覚に近いでしょうか?

Aさん:肩の荷が降りたんだと思います。「自分からグイグイと引っ張っていくのが管理職だ!」と、ずっと思ってこれまでやってきましたから。「俺がどんどん引っ張っていくんだ」「全部俺がわかっている」「俺が全部指示するからその通りにやって」という感じです。部下と張り合って勝負して、管理職だけれど部下に負けたくない…そんな気持ちもありました。でも、これって本当に自分がやりたい部下との関わり方なのか?今まで通りのやり方で、本当にいいのだろうか?と思った時に、「違うな」と思ったんです。

今では、ちょっと距離を保って、遠くから部下を見守るような姿勢でいる自分に驚いています。これまでの自分と比べると「部下の育成を放棄したんじゃないのか」と思う時もあるくらい、大きな変化です。自分への過剰なプレッシャーもなくなりましたし、人にも求めすぎないようになりました。

自分自身の価値基準みたいなものを簡単に捨てることは正直難しいところでありますが、今では許容幅みたいなものをもちつつ、部下の行動を批判的にみるのではなく、自分の価値基準と違ったときは新たな発見といった目線で見るようにしています。そのような気持ちを持つことによって、むしろ…「ありがとう」の感謝の気持ちが出るようになってきたんです。管理職として先頭を走るのではなく、部下社員やグループのメンバーと一緒に並走する、もしくは少し後ろを走るような感じです。今では「やって当たり前」ではなくて、「やってくれてありがとう!」と思っています。少し、自分自身が生きやすくなったのかなと思います。



ーーあまりの変化に圧倒されています…。どうしてそこまでの変化に至ったのでしょうか?

Aさん:そうですね…。現状を変えたい、自分が変わって楽になりたい、と思っていたのではないでしょうか。以前の自分は、「プレイヤー」が80%を占めているような、いわゆる「プレイングマネージャー」でした。会社から頼まれている自分個人の仕事も、チームの仕事も、部下の仕事も、「全部俺がやる」という状態でした。それが自分の中でどこか違和感があって、「これ以上は続かない」とどこかで感じていたんだと思います。だからこそ、変わりたい、変えなければ、と思っていました。

メンターズに話を聞いてもらいたい、と思ったのは、社外の利害関係のない専門家に、思うままに相談したい、と思ったからです。「管理職」という名前を背負ってしまうと、とたんに社内に弱音を吐けなくなってしまいます。周囲はライバルになってしまうし、友達も減っていく。ちょっと弱音を言おうものなら「あいつはやる気がない」と思われてしまう。「社内に何かを相談しよう」と思うこと自体、なくなっていくんです。「言っても解決しないよな…」と自己完結してしまうんですね。管理職とはそういうものです。

社外メンターだからこそ、これまで誰にもはなせなかったことも打ち明けることができましたし、本音で話すことができたことが、自分自身の変化につながったと思います。ずっと思ってたんですよね、管理職が何でも相談できる人はいないものか、と。

実際に社外メンターの松江さんと話してみて感じたことは、社外だからこそ、言えることがある。しかも社外の人からのアドバイスはなぜか素直に聞ける自分がいました。同じ空気を吸っている人のアドバイスって、素直に聞きにくいじゃないですか…。社外メンターは、自分とは違う空気を吸っている人だから、素直にアドバイスを聞いてみようと思えるんだろうな、と思いました。



ーー「管理職」と言う役割を脇に置いて、思いの丈を解放する時間になったのですね。

Aさん:そう思います。部下に関する相談以外に、人生全体に視点を広げた相談もしました。今後、どんなモチベーションで生きていこうか、と相談するうちに、「自分のブレーキを解放して、外に目を向ける」という目標ができました。

社内だけではなくて、社外の人とも関わって、いろんなコミュニティや活動に参加したい、と思っている自分を見つけることもできました。今後も自分自身の変化を楽しみながら、生きやすく、部下にとっても関わりやすい管理職像を模索していきたいと思っています。



ーー素敵なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

 

担当メンター:松江 研(プロフィールはこちら

インタビュー:菊池 沙津季(株式会社フルート メンターズ運営)

 


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