Wistant mentor 事例

CAPS株式会社

作成者: Wistant mentor|May 28, 2024 1:38:23 AM

急拡する医療クリニックチェーン「CAPS」が社外メンターを導入。管理職の「想い」を引き出し「自分らしいマネジメントスタイル」を発揮

 

事例のポイント

<課題>

⚫︎ 事業の急速な成長に伴い、管理職社員の業務負担が増大。
⚫︎ 社内のリソース不足により、管理職社員の内省支援が不十分。
⚫︎ 社内1on1を実施しても業務の話題ばかりでスタッフのサポートが不十分。

<解決策>

⚫︎ 社外メンター導入

<効果>

⚫︎ 管理職の行動変容と、業務過多に伴う精神的負担のケアを実現
⚫︎ 管理職が自分らしいマネジメントスタイルを発見し、チームの関係性が改善
⚫︎ 社外メンターをロールモデルとした社内1on1の対話の質が向上

 

 

▼CAPS株式会社様についてhttps://caps365.jp/

 

【患者さまとその家族の本当の幸せのために行動し、健康を基軸としたそれぞれの人生における「幸せの総量を最大化」すること】をミッションに掲げ、2014年に設立。365日年中無休のキャップスクリニックを運営し、医療現場でのIT活用を促進する独自の事業展開で、クリニックの開院から運営まで総合的にサポート。クラウド型電子カルテをはじめ、自社開発した独自のシステムでオペレーションの効率化をはかるとともに、拠点や人材の開拓を手掛けるクリニックチェーンマネジメントを実現。クリニックでは異例のチェーン展開を成功させ、地域の子育て・生活の重要なパートナーとなっています。

 

今回は、年間1.5倍の規模で急成長しているCAPS社が「社員一人ひとりが自分らしく働く環境づくり」のために活用している「社外メンターとの1on1」について、実際の活用方法やご導入後の変化を伺いました。

 

 

▼今回お話を伺った方

CAPS株式会社

・クリニック事業部門 事業部部門長 岡田 哲也様

・COO

※以下敬称略にて記載

 

▼ご提供サービス

社外メンターサービス「 Wistant mentor 」

ピープルマネジメントツール「Wistant」


クリニック事業部門 事業部部門長 岡田 哲也様

 

 

◼︎急成長による管理職の負担増加とコミュニケーションが課題に。


ーーはじめに、岡田様の簡単な自己紹介をお願いします。


岡田:私は、クリニック事業部門の部門長と、クリニック部の部長を兼務しています。全国に29か所あるクリニックのクオリティを担保する部署から、医師の採用を行う部署まで幅広い管轄で責任者を務めています。チームマネジメントにも力を注いでおり、毎月20名近くの従業員と1on1を実施しています。

 


ーー従業員間のコミュニケーションを大事にされている印象のCAPSさんですが、社外メンター導入に至った背景にはどんな課題があったのでしょう?


COO:まさに、当社が大切にしているコミュニケーションに課題がありました。当社は急速に成長しており、クリニックの拠点の数も患者さまの数も1年間で1.5倍に増加。採用人数を増やしていますが、他業種からの転職者が多く、慣れない環境の中で従業員同士のコミュニケーションが希薄になっていました。特に多くのマネジメント業務を抱える管理職の人たちは、みんなが全力疾走で、まるで呼吸ができないような状態でした。

 

 

COO:会社組織としては、社員一人ひとりが自己実現を果たせるよう、内省支援 ※ をしたいと考えていました。そのために管理職にもメンターを割り当てることを検討しましたが、リソース不足で現実的ではありませんでした。また、上司との1on1は実施していたものの、直属の上司には話しにくい本音もあるだろう、という懸念がありました。

※内省支援とは、対話によって経験学習の促進やキャリアの整理を行うことをさす。1on1の場では、内省支援の他に「業務支援…業務に関する相談・フォロー」や「精神支援…プライベートも含めた精神的な負荷軽減」が行われる必要があると言われている。

 

岡田:私も管理職の一人として、社内のコミュニケーションに課題を感じていました。忙しい環境下で、部下と1on1を実施しても話題は業務のことばかりになっていることが心苦しく…。目の前のスタッフに向き合えていないような感覚を抱いていたんです。



ーー忙しい中で、特に組織を支える管理職の方へのサポートが必要だったのですね。


COO:何とかしなければ、と思っていたタイミングで、「Wistant」の社外メンターサービスを知りました。もともと1on1ツール「Wistant」を2020年より導入していた縁もあり、社外メンターのサービスを提案してもらいました。

Wistantの社外メンターは、組織の中枢を担うマネージャー層に対して、コーチングのプロが1on1を実施してくれます。それによってマネージャー層の行動や意識に変化が起き、チーム全体の関係性が改善されると聞き、まさに自分たちの課題にマッチしていると思いました。管理職メンバーが自分らしく働けるようになれば、連鎖的にその先にいる現場で働くメンバーもさらに働きやすくなるだろうなと期待したんです。

まずは一部の管理職を対象に、社外メンターの方との1on1を3ヶ月間実施してみたのですが、社外メンターの方の印象が良く、数回で効果を実感したんです。結果として1ヶ月程度ですぐに導入範囲を広げることになりました。

 

 

◼︎社内の1on1とは異なるアプローチでマネジメント層をサポート


ーー社内で実施している1on1と社外メンターの1on1にはどんな違いを感じましたか?


岡田:そうですね。私が普段社内で実施している1on1と大きく違うと感じたのは「質問の内容」です社外メンターは、メンティの感情や想いに関する問いかけがとても多いんです。仕事上の相談をする時でも、「そのとき、どんな気持ちが湧いてきましたか?」「本当にやりたいことですか?」など、私が普段自分がメンターをしている1on1ではあまりしないような質問を投げかけてくれます。私と部下との1on1では、業務上の課題解決にフォーカスした内容ばかりだったので、感情の質問をされたのはとても新鮮でした。

*メンティとは相手(メンター)の助けを借りながら、業務上の問題解決や、経験学習による自己成長、キャリアの整理を行う側の人のこと


また、聞く内容だけでなく、心理的安全性が担保される聴き方や、安心して話せる雰囲気作りがうまいなと感じました。自分から遠慮なく話を切り出せる雰囲気を感じています。「話しやすさ」への配慮は、私自身もメンターとして大切にしていた部分なので、対話のロールモデルとして学びになっています。


もともと、スタッフの状態には注意深く観察して、自分なりの工夫はしていました。たとえば、スタッフ間でのツール上のやりとりや、ミーティングでのちょっとした発言など、細かい情報をキャッチするよう意識しています。一人ひとりの状態にアンテナを張っておくことで、部下との1on1の質を上げられるのではないかと……。そういった日頃の意識だけではなく、さらに1on1の中でプロのメンターのような雰囲気づくりができれば、部下も本音を話しやすくなるだろうと思いました。

 


ーー”社外メンターならでは″の良さを教えていただけますか?


岡田:2つの良さがあると思います。1つ目は、会社の内情をすべて把握していないからこそ、社内では出てこないような新鮮な視点をもらえることです。それが新たな気づきになることも多いですし、一歩立ち止まり深く考える重要な機会になっています。

もう1つは、会社全体が忙しくリソース不足に悩む中でも、マネージャー層のケアをしてもらえることです。リソース不足を理由に放置していたら、マネージャー達の負担が大きくなり潰れていたかもしれない、チーム全体が崩壊していたかもしれないと思うくらい。急成長のフェーズにある今の組織にとって、社外メンターは非常に大きな支えになっています。

 


ーーとはいえ、最初は社外の人がマネジメントのサポートをすることに抵抗もあったのでは?


岡田:いえ、それはまったくなかったです。むしろ「自分に対して投資してくれている」と、感謝の気持ちでいっぱいでした。自身でもマネジメント力を磨きたいと考えていたので、この機会に「自分も変わりたい」という思いを抱くきっかけにもなりました。



◼︎「苦しくなくなった」社外メンターによるマネジメントスタイルの変化


ーー社外メンター導入前の社内1on1の様子を教えていただけますか?


岡田:これまでの1on1は、ほとんど業務の話に終始しており、部下の本音を聞き出せていない感覚がありました。1on1の中で部下がポジティブな発言をしていても、実際には行動につながっていない状態を目の当たりにすることも。「本当は別の部分に悩んでいるのかもしれない」と思うこともありましたが、部下の根底にある悩みを引き出すことは非常に難しいものでした。

 


ーー部門長という管理職に昇進されたからこその難しさもあったそうですね。


岡田:そうですね。私は入社から3年目で部門長に昇進したのですが、かつての同僚に対して、「上司」「部下」のような形で実施する社内1on1は言葉にできない難しさがありました。また、私は会社の9割以上の売上を占める重要な部署のマネージャーになり、抱えていたプレッシャーの大きさは計り知れなかったです。売上管理の側面だけでなく、スタッフの人生を背負うという意味でも大きなプレッシャーでした。そうしたプレッシャーを吐き出せる場として、上司と部下という立場とは別の視点で、メンバーとの関係を構築できたらと望んでいました。

 

ーー社外メンター導入後の岡田さん自身の変化を教えてください。


岡田:以前に比べて、自分自身のことを多く話すようになりました。以前は、「部下に気づきを与えるフィードバックをしなくては」「悩みを引き出さなくては」とばかり考えて、自己開示ができていなかった、ということに社外メンターとの1on1の時間を通じて気づきました。上司としての仮面を被り過ぎていたんです。自分が率直に思っていることを部下へ伝えられるようになったことで、部下からの相談が自然に増え、関係性の改善を感じています。目の前のメンティに対して、自分は何ができるのだろうと考えるようになったとき、マネジメントの苦しさが減りました。


私を担当してくださっている社外メンターの松江さんからは「最近、哲也さんらしさが表に出るようになりましたね」と言われることがあるんです。その真意は、自分が持つ理想のマネージャー像に過度に囚われていた私から、自分らしさを取り戻したということでしょう。


COO:社外メンターの1on1を受けている他のマネージャーたちにも、同様の変化が見られます。自分自身の強いミッションを持って入社してくる人が多いのですが、日常の忙しさや現実の制約によって、その想いは押し込められてしまいがち。しかし、社外メンターによって「自分の想い」が引き出され、彼らも自分らしいマネジメントスタイルを発揮できるようになったんだろうと思います。

 

 

ーー素敵な変化ですね!社外メンターと具体的なやり取りをもう少し詳しく聞かせていただけますか?


岡田:メンターの松江さんから「もっと自分の想いを伝えてもいいのでは?」とアドバイスをいただきました。「人の支援をしたい」という自分の想いを松江さんには伝えていたのに、部下には話せていなかったんですよね。他にも、「哲也さんが本音を感じ取ることと、本音を伝えることの2つがテーマになりそうですね」と言われて、私自身が部下に「自分の本音」を伝えられていなかったと気づきました。


COO:社外メンターとのコミュニケーションを通じて、マネージャー層が本音でコミュニケーションをとる場を得たことで、チーム全体の風通しが良くなりました。本当に限界がきて、どうしようもなくなる前にメンティが本音で相談してくれる、チームや組織として問題解決に向けて進められるような状態に変化したと感じています。



◼︎社外メンターと「答え合わせ」をしながら次のステージへ

 

ーー社外メンターはどんな存在ですか?


岡田:社外メンターはチームメイトの感覚です。いい距離感を保ちながらも、事業や根本的な課題に対する理解を深めようと尽力し、CAPSに合わせた価値提供をしてくれる。もはや、いなくては困る存在です。恣意的な関わりを一切せずに、私たちが持つ潜在能力や考えをナチュラルに引き出し、気づきを与えてくれる。良き壁打ち相手の役割も担ってもらっているので、スピード感を持って事業を進めることができています。本当に「支えてもらっている」という感覚です。

 

――今後の社外メンターの活用方法や取り組みについて教えてください。


COO:社外メンターの方には、社内の教育研修担当者と協力して、チームビルディングプログラムの開発に関わっていただきたいです。現在、CAPSでは、部長以下の役職者たちにマネジメント業務の一部を引き継ぐ動きが進んでいます。加えて、チームも全国規模で拡大中です。このような状況下で、チームビルディングの質を向上させる施策が不可欠だと感じています。管理職に就任したり、マネジメント業務が増えたりした場合でも、しっかり対応できるよう、社員にマネジメントや組織構築の研修コンテンツを提供したいと考えています。社外メンターの力を借りながら施策を具体化していきたいですね。


岡田:施策の重要性と同時に、施策の実行に関わるメンバーのケアも重要だと思っています。社外メンターには、今後もチームメンバーの状態を丁寧に見てケアしてもらい、私たちが見逃しがちな情報をキャッチして共有していただきたいです。その情報を踏まえて、現在のチームの状況を正しく判断し、組織が前に進むための意思決定に役立てたいと思っています。

 

ーー本日はお忙しいところ、素敵なお話をありがとうございました!

 


※本記事に掲載の情報は取材を行った2024年5月段階のものです。